ひらかた病院の診療報酬過大受給について
6月13日より6月定例月議会が開会になりました。
今回は各議員からの一般質問(本日16日通告済み)が20日~25日の4日程で行われます。
さて13日の初日には補正予算の審議などを含めて複数の議案質疑が行われました。
今回議会で上程された「令和7年度大阪府枚方市病院事業会計補正予算(第1号)」について、質疑を行いました。
内容としてはひらかた病院で診療報酬3億円余過大受給が発覚したという内容です。
施設基準を満たしていないことがこのタイミングでわかったということなのですが、今回は、補正予算の概要から、なぜ施設基準の不備が起こったのか、そして今後の改善策まで、私の視点でまとめてご報告します。
■ 補正予算の概要
今回の補正予算(約3億2,178万円)は、昨年8月に近畿厚生局の調査で「緩和ケア病棟の施設基準を満たしていない」と指摘されたことを受け、診療報酬の返還と患者・ご家族への連絡費用が主な内容です。
■ なぜ基準を満たせなかったのか?
問題の本質は、「夜勤体制」にありました。
- 急性期一般病棟の基準では「看護職員(看護師+准看護師)2名以上」とされていますが、
- 緩和ケア病棟入院料1の基準は「看護師2名以上」と明記されています。
この違いの理解が不十分だったため、1か月のうち7日ほど「看護師+准看護師」で夜勤を組んでしまい、必要な看護師数を満たさない日が発生――結果、基準違反と判断されたのです。
■ 今後の改善策は?
病院事務局長からは、今後、
- 局間連携の強化
- 定期的な施設基準チェック体制の構築
- 職員の基準理解を深める取り組み
を進めるとの答弁がありました。
■ 私の要望と考え
今回の件、すでに多額の赤字予算が計上されている中で、こうした基本的なミスが長年見逃されていたことは看過できるものではなく、極めて重要な問題だと考えています。現行のチェック体制が機能していなかった証左であり、単なる人員増ではなく、「誰が、どのように基準を確認し、責任を持ってチェックするのか」という具体的・実効性ある仕組みの早急な構築が必要です。
ただ一方で冷静に考えないとならないのは、今回の事案は医療事故ではなく、基準の理解不足によるもの。市民の皆様に誤解や不安を与えぬよう、丁寧な説明と信頼回復への努力が求められます。
今年度は中期経営計画の中間見直しも予定されています。この機会に業務フローを根本から見直し、再発防止とともに、より安心・安全な医療提供体制の構築、業務改善につなげてほしい――という内容で提言をしています。
今後も市民の皆さんの信頼に応える病院運営を徹底していただくよう、引き続き議会でしっかりとチェックしてまいります。
