ひらかた病院の経営状況について(予算特別委員会) | 大浜ようすけ – 大阪維新の会 枚方市議会議員
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ひらかた病院の経営状況について(予算特別委員会)

3月12日より開始されました予算特別委員会の質疑ですが、25日を持って終了致しました。
項目としては19の質疑を行いましたが、その中でも重要だと考える内容をブログでもアップしてまいります。
私自身が以前、病院などの医療機関の採用コンサルを行っていたことから非常に関心も高く踏み込んでいきたい内容です。

■市立ひらかた病院の赤字について

昨年度までは年間15億円近くの空床補償があり黒字を維持してきたひらかた病院ですが、コロナも5類に移行する中でそのような補償は減っていきます。
そのため今後はその分がそのまま赤字になる可能性が高く、中長期的な改善が必要です。
加えて、先般看護師の確保が難しくなり新たなに1つの病棟の休棟が決定しました。
尚、休棟中の病棟は4月に看護師の採用に至り研修が完了され次第開棟されるとのことです。
予算では2億強の経常損失が計上され21億ある前年度繰越金より赤字分は補填をされる見込み。

■適切な入院期間の実現

ひらかた病院ではDPC(包括評価制度)制度という病名や症状などから基本的な診療報酬点数が定められその中で医療提供が行われる仕組みが導入されています。
その中で適切な入院期間がそれぞれ設定をされます。
DPCに定められる入院期間は利益確保という観点は当然ながら(Ⅰ~Ⅲ)、これを超えると医療の過剰提供という観点もあるため適正化が望ましくなります。
現在ひらかた病院におけるDPC入院期間Ⅱを超える割合は経営強化プランでは35~38%となっており、令和5年4月から令和6年1月に限って言うと30.9%となっています。
ここは病棟閉鎖などの影響もあり効率化が進み短くなっている可能性もあるため継続してみるべきだと思いますがまずは安定して目標値の30%以内を目指して継続して改善をすべきです。

なお今回は踏み込んでいませんが病院経営において他の指標としては例えば
・外来患者数
・病棟稼働率
・手術件数
・紹介率/逆紹介率(他の診療所からの患者さんの紹介及び逆に紹介をした率)
など様々観点でKPIが置かれています。

その中で私がDPC入院期間に着目をしているのは病院の収益の基本になるのが病床稼働であり、そこをいかに効率よく運用するかだと考えているからです。
勿論細かい話で行くと入院患者数と外来患者数の割合なども大切です。

<経営強化プラン>
https://hirakatacity-hp.osaka.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/★★最終★★冊子データ3.22-1.pdf

改善するためには、転院先や退院先との連携強化や適切な治療を行い効果をあげることは勿論ですが、病院そのものの意識を変えていくことも大切です。

■看護師確保について

本来、看護師の採用については中長期目線で必要な人材や認定資格の取得などを進めていくべきです(診療報酬確保のために必要な人材の逆算)が、ひらかた病院の現状では残念ながら短期目線でまずは人材確保を急がなくてはならないわけです。

過去の説明では休棟により5000万円~7000万円/月の減収とのこと。

現在のひらかた病院の採用についてはホームページ等の自前採用に加えて、就職セミナー参加、SNS活用などで行っていただいていますが急性期病院激戦区であるこの北河内エリアでは人材確保においては積極的な取り組みが必要ではないでしょうか。
看護師の有効求人倍率は昨年度2.2倍になっており、先行投資型の採用活動では限界だと感じます。例えば人材紹介という転職支援サービス企業などを利用することでまずは母集団形成も重要です。勿論、そこに依存することなく内部環境も改善させることも
加えて、看護師については経験者=即戦力と言われることが多く、スキルはあるが現場環境に慣れる前に仕事を行わないといけないというケースが多い業界であるように感じます。
特に採用においては現場感が反映されにくいこともあり、採用強化だけでなく文化になじむための組織としての受け入れ研修(オンボーディング)強化も重要だと提言しています。

尚、他の委員からも条件面(夜勤手当など)の改善等具体的な話も出ておりました。

病院は労働集約型の業界であるため人材確保やその投資が重要です。
赤字だからとそこを止めてしまうとより病院改革は遠のくため予算についてもメリハリが必要です。

■北河内エリアの医療体制について

ここについてはまだ私自身、理解を深めながら進めたい内容ですので事実のみを記載します。
北河内医療圏では病床数の若干いびつな状況があります。
急性期(治療を行い早期退院を促す病棟)は過剰である一方、回復期(急性期を脱した後リハビリ等サポートが必要な方向けの病棟)が不足していると言われています。

ひらかた病院は上記いうところの急性期に分類されます。
採用においてはそれだけ採用競合が多くなっています。
今後は本市のみならず、北河内全体においても高齢化率は高まり、入院患者数は増加することが想定されますが先を見据えた時にひらかた病院の在り方ということも変わる時代が来るかもしれません。
尚2023年度よりHCU(ハイケアユニット=高度治療室)を4床設置するなど現時点では高度急性期機能の強化が進んでいます。

今現在においては小児科や周産期など公立病院としての重要な役割を持っています。
ただ本当にそこだけなのか。10年、20年先を見てひらかた病院が黒字化に転換しながらも社会的意義を最大限高めるための方向をしっかりと見出せるように動いていきたいと思います。

まずは黒字転換のためにも安定的な人材確保(採用、定着)を行っていく必要があります。

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