幼児療育園跡地活用および事業者募集の要件緩和について~そもそも賑わいとはなに?~
今回一般質問で扱った内容の1つに幼児療育園跡地活用に関することがございます。
今までの経緯についてはこちら
また今回の一般質問の全文はこちらをご覧ください。

1. 結論(一般質問の概要・重要点)
令和6年度に実施された枚方市幼児療育園跡地(三矢町、敷地面積599.30平方メートル)の民設民営による事業者公募(公募型プロポーザル)は、応募事業者がないまま不調となりました。これを受け、枚方市は令和9年度の供用開始を目指し、まずは当該地を広場として暫定活用する準備を進めています。
一方で、本来の目的である「民間事業者を活用した拠点施設整備」を諦めたわけではありません。
昨今の建築資材費や人件費の高騰、さらに事業者や地域住民との対話から浮き彫りになった課題を踏まえ、
市は「20年間の事業用定期借地権」等といった従来の公募要件や事業条件を抜本的に見直す必要性を認めました。
ただ単に再公募を行うのではなく、地域が求める「賑わい」の質を再定義し、実効性の高い事業計画へ再構築することが重要な局面を迎えています。
2. 課題背景と具体的な取り組み
不調の背景と民間事業者の課題
令和6年8月〜10月にかけて実施された事業者公募が不調に終わった主な要因として、市が実施した事業者ヒアリングや「公民連携座談会」において、主に以下の点が指摘されています。
- 経済情勢の変化:物価高騰に伴う建築資材費および人件費の急激な上昇による初期投資への不安
- 収益性と事業期間の壁:「20年間の事業用定期借地権設定では事業採算が成り立たない」という具体的な懸念
現在の厳しい経済情勢下で民間投資を呼び込むためには、行政側が設定する公募条件が現状の市場実態にそぐわなくなっていることが明らかです。
暫定活用(広場整備)に向けた現在の状況
市は拠点施設が実現するまでの間、土地の注目度を高め機運を醸成する目的で、以下の整備工事を今年度内(令和8年度)に完了させる手続きを進めています。
- 西側道路との高低差解消(盛土・擁壁・車止めの設置)
- 観光バスの駐車に対応した舗装整備
- 給排水インフラおよび歩行空間の整備
供用開始は令和9年度を予定しており、まずは地域に開かれた広場としての活用が始まります。
市の現行方針と公募要件見直しの方向性
市議会での議論を通じ、市は建築資材高騰などの社会情勢を直視し、事業者ヒアリング等の結果を踏まえて借地期間も含めた公募要件や事業条件の再検討が必要であるとの認識を示しました。
今回の一般質問を通じて、市からも「物価高騰をはじめとする厳しい社会情勢が続く中において、事業の実現性をより高めるため、聴取するご意見や課題を踏まえ、借地期間も含めた公募要件や事業条件について、改めて見直す必要性があると考えております」という答弁がありました。
まだ具体的な内容にまでは至っていませんが、しっかりとした情報発信が求められます。
3. 今後の方向性や考えていくべきこと
「量」から「質」への賑わいの転換は?
従来の行政施策における「賑わい」は、イベントや商業施設における「来場者数」や「集客数」といった「量」の数値で測られることが多くありました。しかし、これからの拠点づくりにおいては、単に数字を追求する集客ではなく、目的意識を持った人々が集い、地域への愛着(エンゲージメント)を育む「質」の視点が不可欠です。
※収益は量なのでそこは重要ですが、本来的な意味として求められる施設となり賑わいを作り出すということこそ議論すべきでは?という意味合いです。
収益性を担保しつつも、地域住民や利用者が当事者として深く関われる空間設計を進めることが、自律的で持続可能なまちづくりにつながります。
エリア全体を「面」として捉えた広域連携の視点
幼児療育園跡地は、三矢交差点を経由して淀川河川エリアへアクセスできる要衝に位置しています。淀川河川エリアでは「かわまちづくり計画」が進められており、令和9年度にはスケートボードパークの供用開始が予定されるなど、新しい活動の波が生まれつつあります。スケボーパークについての動画は下記。
枚方宿地区の歴史的な街並みと淀川河川エリアを別個のものとして扱うのではなく、「面」として連携・周遊させる視点を持って事業条件を整理することが求められます。
賑わいと一言で言っても、市駅周辺の商業施設を中心にした賑わいと、五六市やくらわんか花火大会のようなある種イベントにおける賑わい、また個人商店の飲食店の賑わい、働く場所に紐づく賑わいとでは、同じ賑わいでもその持つ意味は全く異なります。
どれも重要だとは思いますが、実はこの議論が少し抜けてしまっていることも忘れてはいけないのだと感じています。すべての意見を集約することは不可能だとは思いますが、私個人としては【日常的な空間における賑わい】という観点で人の往来の中にたたずむ、しかし使われる施設が求められると考えます。
そのためにはそもそも、民設(民間事業による設計、建設)ではなく、公共施設との複合化や公共施設として建てるということも検討しなおしても良いのではないかとすら思っています。
上記についてはまだ私自身も明確な回答はないので、はっきりしたことは言えませんが、公共施設が絡むと市の財源でもふるさと納税などを原資にまた違う形で市民を巻き込んで行う事業に発展することも可能ではないかと考えます。



