「財政の崖」をどう乗り越えるか。枚方市へ「徹底行革」と121の具体策を提言
この度、大阪維新の会枚方市議会議員団および日本維新の会大阪府枚方市支部として、伏見市長へ「令和8年度枚方市予算編成に関する要望書」を提出いたしました。
この要望書に込めた想いとそれを乗り越えるための具体的な提案内容についてご報告します。
今回は会派政調会長として要望書の骨子から作成を行い、政調会を中心にまとめたものになります。
昨年よりも財政状況を取り巻く環境も大きく変化を見せる中、次につながる内容にとしています。
🚨 なぜ今、改革が必要なのか?(非常に厳しい財政状況)
まず皆様にお伝えしなければならないのは、枚方市の財政運営がかつてないほど厳しい局面にあるということです。
- 人口減少・少子高齢化による納税義務者の減少と扶助費(社会保障費)の増大 。
- 公共施設の老朽化に伴う維持・更新費用の増加 。
- これらに物価高騰が重なり、市の試算でも令和10年度以降、財政の余裕度を示す経常収支比率が100%を超える(収入をすべて固定費で使い切ってしまう)見通しとなっています 。
この危機的状況を打破するためには、従来のやり方を踏襲するのではなく、抜本的な行財政改革が必要です。
🏛️ 市政運営の土台となる改革:DX、データ活用、病院経営
私たちはまず、これらすべての施策の土台として、以下の改革を断行することを強く求めています。
- 徹底した行財政改革とDX推進 AI(生成AI、RPA等)やデータの活用(EBPM)を本格化させ、業務効率化と市民サービスの向上を同時に実現します 。
- 公共施設マネジメントの適正化 将来世代に負担を残さないよう、施設の総量適正化や包括管理によるコスト削減を進めます 。
- 市立ひらかた病院の経営改善 閉鎖病棟の早期開棟や地域連携による収益向上、将来的な役割の再定義を含めた経営健全化に取り組みます 。
🔥 特に優先すべき【10の重点施策】
限られた財源の中で、枚方市が優先的に取り組むべき事項として、以下の10項目を要望しました。
- DXによる住民サービスの向上 デジタル人材の育成に加え、マイナンバーカード活用による「書かない・行かない」窓口やキャッシュレス決済の拡大など、手続きのワンストップ化を推進します 。
- 万博効果の持続・発展 「ひらかた万博」で生まれた共創の仕組みを一過性のものにせず、市域全体の活性化へつなげます 。
- 出産・育児費用の負担軽減 出産費用の実質無償化や、育児にかかる費用の負担軽減策を充実させます 。
- 待機児童ゼロと多様な保育ニーズへの対応 既存施設を活用した保育室の拡充や、小規模保育・認定こども園への移行促進により、通年の待機児童ゼロを目指します 。
- 児童相談所の体制強化 子どもの安全を守るため、人員体制の十分な拡充および財政状況への十分な留意と、新設される児童養護施設等との連携を強化します 。
- 支援教育の充実 教員や支援員の確保・育成を進めるとともに、通級指導教室の全校設置を前倒しで実現します 。
- 中学校給食の無償化と質の向上 全員喫食のスタートに合わせた給食費無償化の実現と、栄養バランスの取れた質の高い給食提供を目指します 。
- 経済的支援を要する家庭への教育支援 塾や習い事、フリースクール代などに使える支援策(バウチャー等)を検討します 。
- 市駅周辺再整備と防災拠点機能の強化 老朽化した庁舎の建替えは、大規模災害時の防災拠点としても喫緊の課題です。市民利便性の高い新庁舎整備に向け、位置条例の早期可決を目指します 。
- 物価高騰対策 長期化する物価高騰により厳しい状況にある市民や事業者に対し、実情に即した支援を行います 。
📋 全分野を網羅する【7つの政策項目・121の要望】
重点施策に加え、市政全般にわたる詳細な要望を行いました。各分野の要点は以下の通りです。
Ⅰ.徹底した行財政改革 生成AIやRPAの導入拡大、高度専門人材の確保に加え、公共施設の包括管理や総量適正化を推進します。また、ふるさと納税の強化や近隣自治体との広域連携により、効率的で持続可能な財政基盤を構築します 。
Ⅱ.安心・安全・快適なまちづくり 避難所の環境改善や地区防災計画の策定支援など防災力を強化します。また、道路・上下水道の老朽化対策、通学路の安全確保、京阪本線連続立体交差事業の推進など、インフラ整備を着実に進めます 。
Ⅲ.枚方の『成長』を推進 地域資源を活かした観光コンテンツ開発や医療ツーリズム、eスポーツやスポーツイベントを通じた賑わい創出を図ります。また、企業誘致やスタートアップ支援、自動運転などの新技術実証にも積極的に取り組みます 。
Ⅳ.子育てを枚方のブランドに 保育士の処遇改善や確保策をはじめ、ヤングケアラー支援、児童虐待防止体制の強化、子ども食堂や宅食による貧困対策など、すべての子どもと家庭を支えるセーフティネットを拡充します 。
Ⅴ.生きる力を育む教育 1人1台端末のより効果的な活用、少人数学級の実現、不登校児童へのフリースクール支援など多様な学びの場を確保します。また、教員の働き方改革を進め、教育の質を向上させます 。
Ⅵ.誰一人取り残さない持続可能なまちづくり 2050年二酸化炭素排出実質ゼロに向けた取り組みや、ユニバーサルデザインの推進、多文化共生社会の実現を目指します。また、社会のルールを守らない行為に対しては厳正に対処します 。
Ⅶ.福祉・医療・介護施策の推進 手話言語条例に基づく施策充実、認知症支援、がん検診受診率向上、障害者の就労・相談支援体制の強化など、誰もが健康で安心して暮らせる地域包括ケアシステムを深化させます 。
枚方市の未来のため、これらの要望実現に向けて議会活動に邁進してまいります。 ご意見やご質問がございましたら、ぜひお寄せください。



