枚方市の未来を創る「担税力」と「時間」の戦略:キャリアも子育ても実現できるまちへ | 大浜ようすけ – 大阪維新の会 枚方市議会議員
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枚方市の未来を創る「担税力」と「時間」の戦略:キャリアも子育ても実現できるまちへ

本日は、枚方市が持続可能な自治体であり続けるために避けて通れない「担税力(たんぜいりょく)」と、子育て世代が直面する「時間貧困」という2つのキーワードについて、最新の一般質問をもとに解説します。


1. 「人口数」以上に重要なのは「担税力」である

枚方市の人口は約40万人と、大阪府下で5位の規模を誇ります 。しかし、街を支える「個人市民税」の状況を見ると、楽観視はできません。

以下の表は、近隣の主要自治体との比較です。

人口規模が近い吹田市や豊中市と比較して、枚方市の1人当たり納税額は約2万円も低いのが現実です 。納税額が大阪府下で10位程度に留まっている現状では、将来的な住民サービスの拡充に限界が来ます

なぜこれほど差が出るのか?その要因の一つが、働き盛りである「生産年齢人口」の割合です。

枚方市の高齢化率(老年人口)は30.3%に達しており、周辺市に比べて生産年齢人口の割合が低い構造にあります 。持続可能なまちづくりのためには、しっかりと納税して街を支えていただける世帯に「選ばれる街」にならなければなりません 。


2. 共働き世帯を阻む「時間貧困」の壁

ターゲットとすべきは、社会を支える「共働き子育て世帯」です。特に夫婦ともに年収700万円を超えるような、いわゆるパワーファミリーは、この10年で2倍以上に増加しています

しかし、彼らは一定の収入があるがゆえに、行政のさまざまな支援策から外れることが多いという実状があります 。一方で、OECDの調査によれば日本の「時間貧困」は深刻で、G7の中でも労働時間は最も長く、子どもや自身のケアに使う時間は最低というデータが出ています

実際、共働きで子育てをされている方の日常は壮絶です。

朝の送迎、夕方のお迎え、夕食準備をしながらの宿題チェック、寝かしつけ……。息つく暇もなく疲れ果てて一緒に寝てしまう。これでは、子どもの変化に気づく余裕も、自身のキャリアを磨く時間も持てません。

私は、キャリアと育児のどちらかを選択させるのではなく、「キャリアも子育ても共に実現できる社会」こそが、枚方市が目指すべき姿だと確信しています 。


3. 枚方市の次なる一手:民間活用による「時間的支援」

これまでの「経済的支援」に加え、今後は「時間的支援」が定住促進の強力なカードになります 。

私は議会において、愛知県豊橋市の事例(1回500円で家事代行が利用できるクーポン配布)などを挙げ、枚方市でも踏み込んだ施策を行うべきだと主張しました

【市の回答と今後の動き】 市側も、市民アンケートから「仕事と家庭生活の両立」に対するニーズが非常に高まっていることを認めています 。

  • 実証実験の開始: 民間サービスを活用した「家事負担軽減」の実証実験に向け、現在調整を進めています 。
  • 組織横断的な検討: 「定住・移住促進」に向けたロジックモデルを構築し、効果の薄い既存事業を整理(スクラップアンドビルド)しながら、新たな施策の検討に入ります 。

結びに代えて

私は、支援の対象を「小学校低学年」を持つ家庭まで広げるなど、より精緻なペルソナ設定に基づいた施策を要望しました

「担税力のある世帯」を呼び込み、その活力を全体の市民福祉向上に還元していく。
そのサイクルこそを作り出すべきだと提言をしています。

皆さんは、どのような「時間的支援」があれば、仕事との両立が実現できると考えますか?
ぜひ、皆さんのリアルな声をお聞かせください。

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