【枚方市】ふるさと納税の今とこれから。 | 大浜ようすけ – 大阪維新の会 枚方市議会議員
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【枚方市】ふるさと納税の今とこれから。

令和7年9月定例月議会にて、枚方市のふるさと納税の取り組みについて一般質問を行いました。
従来の寄附額の拡大だけでなく、本来枚方市に納められるべき税金が流出している現状を課題と捉え、市民の皆様の想いを反映し、地域を活性化する「新たなふるさと納税のあり方」について議論しました。

    枚方市ふるさと納税の現状と深刻な課題

    本市の財政状況が厳しい中、ふるさと納税制度の積極的な活用は喫緊の課題です。

    課題は「流出」の抑制

    ふるさと納税制度については、流入を増やすことばかりに注目が集まりますが、私は本来納税されるはずのものが流出する現状も、同時に解決すべき大きな課題であると考えます。

    ふるさと納税による税収収支の状況

    枚方市では、市民が市外にふるさと納税をすることで、税金が流出(控除)しています。市が公表しているデータ(令和7年2月総務委員協議会資料より)によると、「入ってこなくなった税額から本市への寄附額等(※)を差し引いた収支」、つまりふるさと納税による実質的な税収収支は年々悪化しており、市税収入を深刻に圧迫しています。

    年度ふるさと納税による税収収支
    令和3年度-259,804千円(約2億6千万円のマイナス)
    令和4年度-266,203千円(約2億7千万円のマイナス)
    令和5年度-279,797千円(約2億8千万円のマイナス)

    ※注:この収支は「流出額から流入額を差し引いた純粋なマイナス」であり、枚方市の税収への影響を示しています。ふるさと納税の取り組み

    寄附額は増加傾向

    市の答弁によると、個人のふるさと納税については、令和7年度はプロモーション業務委託事業者を早期に決定し、積極的にPRを展開しています。その結果、寄附額は令和7年8月末時点で約4,970万円となっており、昨年度の同時期と比較して約115万円増加しているとのことです。水都くらわんか花火大会観覧チケットなど、新たな返礼品も積極的に開拓されており、さらなる増加が期待されます。

    これまでの提言。「外部人材」の活用や社会課題解決型起業支援

    私はこれまでも、ふるさと納税制度の多角的な活用と、体制強化を提言してきました。

    過去の提言と状況

    単なる返礼品競争ではなく、制度を活用した戦略的な運営のため、以下のような提案をしてきました。

    • 外部人材・副業人材の登用による体制強化
      • ふるさと納税のノウハウを持つ専門的な**外部人材(副業人材など)**を登用し、プロモーション戦略や返礼品開拓を強化すべきと提言してきました。
    • 「ローカルゼブラ企業」支援メニューの創設
      • 地域の社会課題解決を担うローカルゼブラ企業の支援や、公民連携プラットフォームで行われる試行実施への寄附を可能にするなど、新たなメニューの拡充を求めてきました。

    「ふるさと納税3.0」の推進

    枚方市は現在、寄附を通じて市内事業者の商品開発を後押しするなど、いわゆる**「ふるさと納税3.0」**の考え方も取り入れながら、地域経済のさらなる活性化を目指す準備を進めています。

    クラウドファンディング型が始動。

    今回の質問の大きなテーマは、いよいよ実施が決定したクラウドファンディング型ふるさと納税です。

    クラウドファンディング型とは

    この方式は、寄附金の使い道を具体的な事業として示し、その内容に共感いただいた方からの寄附を募るものであり、寄附者にとってはより直接的に想いが反映でき、自治体にとっては新たな財源確保と事業PRが可能になる、お互いにメリットがある取り組みです。

    枚方市の実施事業(子育て支援)

    私からの質問に対し、市は「子どもがわくわくする公園の整備事業」など、寄附者が共感できる事業の選定を総合政策部や事業所管部署と協議を進めていると答弁しました。すでに子育て支援をテーマとした募集が開始されています。

    主なプロジェクトは以下の通りです。
    出典:枚方市「ふるさと納税型クラウドファンディング」実施のお知らせより)

    • ①屋内の遊び場整備(子ども未来館):枚方公園青少年センター1階に新しく整備される(仮称)子ども未来館に、室内遊具の「大型クッションすべり台」を設置。
    • ②市内公園の遊具整備(車塚公園など):インクルーシブ遊具(誰でも遊びやすい遊具)など大型複合遊具の設置費用の一部に充当。

    市は、ふるさと納税に関心の高まる年末などの時期を逃さないよう、募集時期を調整しています。

    「市民を巻き込むふるさと納税」へアップデートを。

    今回のクラウドファンディング型ふるさと納税は、従来の返礼品を主とした制度とは一線を画す、大きなポテンシャルを秘めています。

    市民こそが「未来の寄附者」

    この取り組みの最大の特徴は、市内の事業を対象にしたことで、寄附者の対象が現在枚方市にお住まいになっている市民の皆さまに広がる可能性がある点です。

    個別の返礼品はないかもしれませんが、「ひらかたの未来のため」や「子どもたちへの投資」となるのであれば、市民の皆様の共感を形成しやすいと考えます。もちろん、市民の皆様も税控除というメリットを受けることができます。

    情報発信の工夫と「市民巻き込み型」への飛躍

    この新たな取り組みを市民の皆様に広く知っていただくため、ふるさと納税のポータルサイトだけでなく、**本市公式InstagramやX(旧Twitter)**など、市民の多くがご覧になる媒体を活用した適切な情報発信を要望しました。

    ふるさと納税は、単に流入を増やすだけでなく、打ち出し方により流出を防ぐチャンスにもなり得ます。今回のクラウドファンディング型を皮切りに、市民巻き込み型で、枚方市の事業の見える化や発展的な展開をチャレンジしていただくよう、今後も提言をしてまいります。

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