「孤独・孤立」問題の本質と今後の社会のあり方
時間差になってしまいましたが、5月13日に現代社会における「孤独・孤立」の問題について勉強会があり参加しました。講演の中では【孤独や孤立そのものが問題なのではなく、それが他の社会問題の原因や促進要因となっている】点が本質的な課題であると指摘されました。
家族・人口構造の変化
かつては家族規模として4名程度が平均だったものが、現在は平均2.2人と家族の形は変わりつつあります。
例え話としてアニメの「サザエさん一家」がある種、日本の古き良き?家族として語られる一方で、現実としてはそれとは逆の選択をされることが増えています。
それ自体が良いか悪いかではなく、日本の社会として家族での支えあいというものは何となく良いものとして受け入れられているものの現実問題としてそれができないという壁が生まれつつある。ということです。
団塊の世代は支え合いの仕組みがありましたが、2040年以降は未婚率の高い団塊ジュニア世代が後期高齢者となり、支え手が減少。ロスジェネ世代は生活基盤が不安定で、親の介護や自身の就労で疲弊している現状です。
高齢者・若者・子育て世代の孤立
一人暮らし高齢者は2001年の318万人から2022年には873万人に増加しており、支え手が減り、地域のつながりも希薄化しています。孤独死に至るケースも増加し、発見までに時間がかかるケースも多くなっています。(つまり、そこまで他者とのつながりが薄くなっている可能性が高い)
若者では、相談相手がいない人が約2割にのぼり、自分のことを話す場がない。できない。というケースも増加傾向にあるということでした。
子育て世代も、価値観のギャップや家事の負担などで孤立しやすくなっています。
一人の時間は大切ですが、長すぎると困りごとが増え、支えがなくなりがちです。自立とは「自己完結」ではなく、「他者に頼る力」も含まれます。つながりが減ることで自己への関心も薄れ、心身の不調や社会的な問題行動につながることもあるという話が印象的でした。
今後の社会的サポートのあり方
家族の力が弱まる中、社会全体で支え合う仕組みが必要です。「迷惑をかけてはいけない」という教育も大切ですが、困る前にどれだけサポートできるかが重要です。行政も「申請主義」から一歩進み、ニーズをくみ取る姿勢や柔軟な発想が求められます。
学びの大きな研修でしたので記録として残しておこうと思います。
政策にもしっかりと反映できるように今後も進めてまいります。