ひらかた病院の経営状況について続報(病院事業運営審議委員会)
先日ブログでひらかた病院の経営状況について更新をしましたが、11月29日に病院事業運営審議委員会が開催されましたので備忘録的に概要をまとめておきます。
令和6年の上期経営状況について
超ざっくり言うと経営については厳しい状況だと言わざる得ません。
令和5年度の上期との病院事業収益差は【-4.3億円】となっています。
また、病院事業収益から病院事業費用を引いた昨対同時期比は【-3.6億円】になりました。
▼患者数が若干減/診療単価は横ばい
ということが一番の苦しい要因で、他にも経費増加やコロナ補助金も完全になくなるなど積み重ねの部分もあります。
令和5年度は2.4億円の赤字でしたので、、このままの推移で行くと
10億円程度の赤字になることも覚悟する必要があると思われます。
今後について
勿論現場としてはこの状況を重く受け取ったおられ11月より緊急対応策を複数挙げておられますが、病院経営においては正直、特効薬は中々ないと思います。
各委員から出てきた意見(私の意見も含む)で同意だなと思った内容をいくつかピックアップしますと
・新紹介件数(クリニックや介護施設などからの患者さんの紹介の数)が落ち込んでいるが、営業(この言葉が適切化はさておき)の手法は改善できないのか?
→クリニックの開設情報の更新や、そもそも紹介をしてもらいやすいような病院としての特色は出せないのか?
※病院としては幅広くバランスが良いことこそが強みというスタンスでした。
・緊急対応策や中長期計画などに対して収益のシミュレーションを明確に出してほしい。
→どういった取り組みがどれほどの効果になるのか。という意見も出ていました。
こちらも私としても激しく同意です。激しい外部要因の変化はあるとしても、現時点での状況をベースにどういう点で収益を上積みするのかという点は知りたいところです
・未収入金の回収の強化
→ここは病院が強化をしたい旨をあげていましたが年間でも5000万円近くあるということでここもインパクトは大きそうでした。(病院においてこれがどれほどのものなのかは調査してみます。)
・看護師採用状況についての情報アップデート
→今回では明確な報告はなかったのですが、現在病棟閉鎖というものが収益減においても大きなインパクトになっているはずですのでここはもう少し報告があっても良かったかなとも思います。
私も別途確認して、様々な観点から提言をしていこうと思います。
また病院側においても高齢者救急の強化や在宅医療連携強化など短期中期での対策も進めてくれています。尚、病床稼働率など全体的なKPIは10月は復調傾向にあるということですので定点観測が必要だと思います。
少しインパクトのある話でしたが、ここまで早期に赤字が広がるということは個人的には予想外でした。約20億円近くの利益剰余金がありますがこのままでは2年程度で底を尽きることになります。
個人的には5年くらい先になるかなとも思っていましたが、、
一方で、ご理解いただきたいのはコロナ禍において北河内唯一の公立病院でコロナ患者の受け入れを続けてきたのはひらかた病院です。
また小児科などの政策医療を引き受け、医療の番人的な位置づけで頑張ってきてくれています。
コロナ5類移行後に患者離れを一番打撃を受けているのがひらかた病院だと思います。
政策医療は収益化しづらいわけですので、即黒字化を目的にする必要はないと考えますがそれでもまずは今の経営状況を打開していく必要があります。
私もさらに調査研究を進めて、チャレンジングなものになったとしても意味のある提言をしていきたいと思っています。