新庁舎視察に滋賀県守山市へ。 | 大浜ようすけ – 大阪維新の会 枚方市議会議員
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新庁舎視察に滋賀県守山市へ。

大阪維新の会枚方市議会議員団で、滋賀県守山市の新庁舎(市役所)に視察に伺いました。

現在枚方市は新庁舎整備基本計画策定に向けて様々な動きを行っており、会派でも調査研究を行い提案していくべく第一弾として企画をしました。

守山市役所の案内動画をご覧ください。かっこいいです。

    滋賀県守山市新庁舎のポイント

    同市は平成23年に発生した東日本大震災における被災地の庁舎被害状況を受け、庁内検討を開始されました。当時は耐震整備などについては注目をされていましたが、「働き方改革」的なことはまだ言われる前でしたので、その中でかなり創意工夫されてきたんだなと驚きでした。

    基本理念に『「わ」で輝く 全ての市民にやさしい 安全・安心な庁舎』を置き、5つの基本方針を設定しています。
    ・ワンストップで、誰もが利用しやすい庁舎
    ・災害に強く、市民の安全・安心を支える庁舎
    ・市民に開かれ、市民が集える場と楽しいコトがある庁舎
    ・働きやすく、機能的でコンパクトな庁舎
    ・環境と未来の世代にやさしい庁舎

    1.庁舎のハード面について
    新庁舎は、国立競技場の設計にも携わった建築家の隈研吾氏による設計。
    敷地面積は約1万7400平方メートル、延べ床面積は約1万3000平方メートル、鉄骨造の地上4階建て
    事業費は約79億円で、2023年8月に開庁しました。

    各階がテーマごとに分かれており、例えば
    1階は市民課や福祉関連を所管する窓口が多く床は車椅子での移動も考慮してフローリング。
    2階は子供関連の窓口が多く集まっており、若葉をイメージた緑の絨毯。
    3階は議員控室や総務人事、政策系が多く集まっており、森の土のイメージで茶系の絨毯。
    4階は関連業者さんの出入りが多い技術土木系窓口が集まっており、琵琶湖のイメージで青系の絨毯。
    とご自身がどこにいるのか視認しやすい、市民の導線をコンパクトにまとめている印象です。
    後、通路も広い。

    守山市は8万人都市で、市内に市民の集う場所としての市役所という役割もあり300人入る多目的ホールや貸会議室など町としての工夫も感じられました。
    しかも、前庁舎が建設された時は市民は3万人台で今の半分以下、職員数のピークはまだ先だろうということが想定されていることからある程度の【可動性】が見込まれています。
    ※建築物の可動性というものは今後の社会において絶対条件だと思います。それを取り入れていらっしゃる先見性は素晴らしい。

    2.庁舎のソフト面
    エネルギー使用量を50%以下まで削減した「ZEB Ready」の認証取得されていることや、
    職員が仕事内容に合わせて働く場所を自由に選べる「ABW」の導入による業務の効率化などは市役所という世界観ではかなり先進的な事例です。
    ※ABW(Activity Based Working):その時の仕事内容に合わせ、働く場所を自由に選択する働き方
    ※ZEB Ready:建築物の省エネ指標の一つで一般使用と比較してエネルギー使用量が50%以下

    こちらは3階の政策系課が集まっているフロアですが、フリーアドレスが導入されています。
    デスクは職員数に対して若干数不足になるように設計されており、窓側の作業スペースや半個室になっている集中ブースなどを積極的に利用できるようになっています。

    働き方改革関連法案は2019年に施行されましたので守山市が新庁舎の検討をはじめた段階ではここまで活発な議論は国内においてはされていませんでした。
    民間企業よりもその波が遅れる役所においてはなおさらです。
    そのため他の自治体だけでなく民間企業なども研究対象にされ相当のご苦労があったようです。

    3.その他
    施設全体にユニバーサルデザインの考え方を積極的に導入されており、床の色の視認性だけでなく、案内表示や誘導表示等も含めて視覚的にもわかりやすい配置になっています。
    可能な限りの窓口機能のワンストップ(集約)化や、窓口機能の充実、多様な来庁者をサポートする各種機能の充実等が図られています。

    また議場もよくある赤絨毯ではなく、森の中のイメージで木材がふんだんに使われ茶系の落ち着いた色味の絨毯。

    傍聴席の空間も広くて快適な印象。

    面白いなと感じたポイント

    ABWなどの考え方が徹底されている点。
    →ペーパレスについても印刷ではなく残さない(ストックレス)という考えが浸透しており、結果無駄なスペースを作るようなことはされていない。(ペーパー削減率も相当高い。確か50%以上?)

    議場が最上階(スペース確保や市民窓口を下層に置くために最上階に置くケースが多い)ではなく、2階に設置されています。それは災害対策室になる会議室と同じフロアにされており、万が一物資や会議室が不足の際には議場も利用されることから、奥の扉と災害会議室がつながる形になっています。

    同市の庁舎はプロポーザル方式で基本設計と詳細設計・施工が実施(デザインビルド方式)されていますが、競争入札において著名な建築家の方に手をあげてもらうために建築業界に知ってもらえるような発信や要件なども様々な工夫をされたとのこと。

    視察時間も予定よりも超えて対応を頂いた守山市の職員の皆さまには感謝申し上げるとともに枚方市においても学んだことを活かしていきたいと思います。

    私たちの調査研究についても自治体だけでなく、企業も含めて幅広く学び理解を深めるとともに必要なことをしっかりと発信してまいります。

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