能登半島地震職員派遣報告会の実施
本日、元旦に発災しました能登半島地震における本市からの職員派遣報告会が実施されました。
まずは本市を代表して現地にて活動を頂いておりました職員の皆さまに心より敬意を表するとともに多忙な中報告会の開催を頂いたことに感謝申し上げます。
避難所運営との支援について府からの要請は一旦終了はしているとは言え、土木的な復興などはこれからの部分も大いにあると思いますのでその点も注視していきたいと思います。
本市からの支援の概要
本市からは合計37名の職員が現地に派遣をされそれぞれの専門分野において業務に従事をくださっていました。※枚方寝屋川消防組合からの派遣はこちらとは別で、それぞれ活躍を頂いております。
本市では各部局内で災害時におけるマニュアルが用意されており今回の派遣を通じて必要事項についてはアップデートされるとのことですが、職員の皆さんのお話を聞いて共通して感じることは
・現地行政職員は自身も避難者でありながらも休むことが困難で疲労困憊であること
※特に過疎地域など職員数がそもそも少ないエリアはなおのこと。
・災害を防ぐことはできないが、情報の一元化や日頃の準備によって被害を抑えることはできる
・避難者の皆さんの精神面のケアの重要性
ということでした。
実際の報告会は90分程度でしたが本ブログではその中から抜粋してご説明していきます。
また口頭で伺ったことをメモをしていたため誤字などがあれば都度修正を致しますのでその点ご容赦頂ければ幸いです。
避難所運営について
避難所運営については関西広域連合災害対策本部会議及び関西広域連合参与会議にて大阪府はカウンターパート方式により輪島市支援が決定をしたとのことでしたが、情報管理や指示系統については整理がされており混乱は少なかったようです。
輪島市では14,816棟の住宅被害が起きており、道路破損も多く職員が派遣をされていた避難所設置がされていた中学校は一時800~900名が避難生活をされていました。
派遣をされた避難所では当初、段ボールベッドやパーテーションなども支給されておらず、漏電による電気がない状態でした。パーテーションが支給されてプライバシー保護につながると考えていらしたようですが互いの顔が見えないことに不安を感じる方も実は多く、机上とは異なる状況も感じたとのことです。
枚方市では下記のようなパーテーションもあります。
また別の避難所では事前に現地の職員の皆さんが避難者の方に、トイレでの凝固剤の使い方や廃棄方法を丁寧に伝えていたことから、衛生面においてかなり清潔に保たれていたという話も伺え事前の準備や明確なルールや仕組みの重要性もうかがえました。
※断水によるトイレが利用できない時期が発災当時あり、その時は同避難所で50名を超える方が体調不良になるなどかなり厳しい状況もあったようです。(その後は給水車の活躍もあり改善)
支援物資はロゴフォーム(自治体専用プラットフォーム)により毎日避難者数の報告とセットで行われることで必要な支援物資を正確に伝えることができるような仕組みも整えられていました。
※一方で避難所に届いた物資を分配する導線やルールなどは避難所によって差がある。
こうしたやり取りにはネット環境が重要ですが、「00000JAPAN」や大手キャリアのスポット対応などもあり避難所そのものはどこでもというわけではないもののネットは使える状態にはあったようです。
https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000017773.html
健康支援業務
DHEAT、公衆衛生チームの2チームによる職員派遣が行われ、現地の皆さんの健康支援業務に従事をされていました。能登地域は人口が分散されておりかなり広域になっているため通常の保健所設置エリア以上にサテライト的な役割を作り活動展開がされています。
DHEAT(被災都道府県の保健医療調整本部、保健所が行う保健医療行政の指揮調整機能等を支援する専門チーム)
・被災情報の収集と分析評価、対策の企画立案
・後方への支援要請と資源調達
・組織、職種横断的な調整
などを担当。
公衆衛生チーム(避難所における住民の健康支援業務や在宅における要支援者の健康管理業務)
発災初期:避難所、自主避難所を中心に活動
発災1か月:電気の開通により在宅生活者の実態把握や健康調査
発災2か月:仮設住宅への訪問活動も追加
ということを主に活動いただいております。
特に避難時は着の身着のままということが多く、基礎疾患の情報が手元にないということや介護認定を受けていらっしゃる方のサポートなど専門的なサポートを受けるべき方にまで細やかにサポートが行かないということにかなり苦慮されたとのことでした。
看護支援業務
災害支援活動は自己完結型が原則のため自身の食事の用意などを含めて大きなバックパックで現地入りされマイクロバスで他市からの応援看護師と共に金沢駅から同乗されたとのこと。
中期(亜急性)にあたる時期に派遣(https://bigfjbook.com/gai-4/#google_vignette)
・避難所のニーズ:基礎疾患と内服薬の把握などから
・避難者リストの作成:毎日の検温表作成を作り4名看護師で回す
・仮設トイレの1つは感染者専用に
・水分摂取の促進(冬場でトイレの使用を控えるためにも皆水分補給を避けるようになってしまうとのこと)
・車中泊の方の安否確認も(寒い中空調などはつけずにペットと一緒にという方が多い)
・近隣の会館でクラスター発生でインフル25名で応援を行う
・支援物資の設置や衛生面でのルールがない(管理者がいない避難所だとそうなってしまう)
・点滴棒がないので清掃用モップの柄を使うなど
・DMATの現地調査に同行して改善策を共に検討
・配薬:おくすり手帳があれば提供(近隣クリニック)、何もないという方で何を飲んでいるのかわからないという方も多く、できる限り家族同伴で近隣の医院に通院してもらう。
カルテがないため、簡単なリストでも把握をするように心がけ現地でできる最大限の対応をされています。
給水活動・漏水点検
能登半島は被災状況のため金沢を拠点に毎日3時間以上かけて移動するなどかなり過酷な状況。
自衛隊の給水タンクに、枚方市の給水車から給水活動を行いピストンで行き来を続けていたとのことで車での移動が絶対であり、通行できない道路が続いておりこうした情報がカーナビにはリアルタイムには反映されていないためスマホが必須。
そのため車中での充電がいつでもできるようなポータブル電源などの用意などは必要という気づきもあったようです。
小さなことではありますが非常に重要な気付きで平常時の訓練では中々気付かないことだと思います。
漏水点検については約2.7kmを担当され漏水点検と修繕を行っていただいています。
破損や余震の不安もある中で事前調査をかなり綿密に行うことで安全確保をされていたとのことですが、7日間の作業期間のうち6日間は雨もしくは雪が降るなど大変な環境の中での作業を行っていただいております。
ごみ処理
ごみ処理についても災害時には重要なことで避難生活や衛生的に送るためにもしっかりと計画対応が求められる業務の1つです。
ごみ処理についてもかなり広域な地域を回っていく必要があるため毎日80~280kmの走行距離があり朝の移動だけでも1時間半もかかる環境の中毎日業務に当たってくださっていました。
そこまで走行距離が長いため、故障が起きた時の対応なども実際は考慮しておくべきだということも現地で気づかれたようです。また本市でも民間委託業者と直営があり、災害時の役割分担を明確にしておくことや市指定避難所の収集エリアの把握、マップ化なども重要になってくるとのことでした。
今回は文字ばかりで読みづらい内容になってしまいましたが、皆さんにお見せできる資料なども今後あれば改めてまとめなおそうと思います。私の備忘のためにも本日の報告会の内容をまとめました。
冒頭にも記載を致しましたが、派遣をされた職員の皆さん。
そして、派遣職員を出された部署の皆さんにはそれぞれ協力をして現地での活動、抜けた職員の方の分のお仕事のサポートなど全庁一丸となっての支援だったと思います。
全ての職員に敬意と感謝を致します。
とは言え、被災地でのことはまだ現在進行形で起きていることですので今できることを最大限探して行っていく、発信をしていくということは行いたいと思います。