決算特別委員会(A日程)質疑/今回は保育士不足について。
23日に決算特別委員会(A日程)初日が終了して私も質疑を行いました。
<通告一覧>
1.職員の研修制度について
2.内部統制制度について
3.まちづくり協議会補助金について
4.移動販売実証実験事業について
5.キャッシュレス決済機器導入・指定納付受託業務委託料について
6. 学校給食費支援事業費について
7.心の教室相談員配置事業について
8.スクールアドバイザー派遣事業について
9.保育ICTシステムに係る経費について
10.病児保育について
11.ファミリーサポートセンター事業経費について
12.保育士等確保・定着支援について
全て重要なことではございますが、本ブログでは以前より追いかけているテーマをまとめさせていただきます。
保育士等確保・定着支援について
【概要】
●保育士不足解消、離職防止の観点から本市において保育士等として正規の常勤職員として1年間勤務をされた際に月額1万円、年間最大12万円の支払う。という市独自に取り組んでおられる保育士等への処遇改善に係る補助事業。
https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000026808.html
【大浜の仮説】
保育士確保についてはどの保育所もご苦労されているという話を聞きます。その上で、
●一時金支給ではなく継続的な支援は重要だが、他市との比較は?その効果は?
●時流に合った支援策になっているのか?
※消費者物価指数総合指数はは2020年を100として106.2にまで上昇(総務省発表 ※2023年9月)
ただ大前提、給与改善だけで解決とは思いませんし、支給金額を上乗せ合戦になってしまうことは健全ではないと考えています。
ただ重要な点として質疑のテーマとしても扱っております。
細かなやり取りは長くなってしまうため、Q/Aの中身に齟齬がないように考慮しながら簡単に抜粋いたします。
<質疑のやり取り(一部抜粋)>
Q1(大浜)
枚方市における保育士等への処遇改善に係る補助事業の令和4年度の経費の内訳についてお聞きします。
A1(答弁)
令和4年度の実績額につきましては、決算概要説明書の125ページ、保育所費の4.私立保育所等経費 (3)各種補助金ア 子ども・子育て支援事業補助金 15億9,784万6,212円 同じく125ページ 5小規模保育事業経費 (2)各種補助金 ア 私立小規模保育事業補助金 2,093万611円に本補助金が含まれおり、実績額は1億274万円となっております。
Q2(大浜)
この補助金は一体何名分の補助として活用されたかお聞きします。
A2(答弁)
補助対象の職員数については、令和3年度は906名、令和4年度は902名であり、令和3年度から令和4年度にかけて4名減少しております。減少した要因につきましては、様々な要因があると思いますが、この補助金の対象を正規の常勤職員としており、令和4年度の職員の正規、非正規の割合が令和3年度と比較すると非正規の割合が高くなっていることも一つの要因と捉えております。
要は、常勤保育士の純増には繋がっていないということです。ちなみに非正規(非常勤、派遣などの合算)は増加。
様々なシフト上の方が増えるのは一見すると良いことなのですが、却ってそれがシフト調整上の負担につながることもあったり安定的な園の運営のためには正職員を常に確保することは重要です。様々な雇用形態が活躍しやすいような組織作りも大切ですがそれはまた別の機会に。
【大浜の考え】
・R2年度からの比較だと増えてはおり一定成果は出ているはずだが、昨年は減になっているなど改善点はある。
・保育士確保は極めて重要であり、本市の継続的な支援を行うことで安定雇用を目的とした支援策は非常に重要である。
・制度開始時(令和2年)比較すると物価指数の総合指数は100→106.2に上昇しており超ざっくり言うと仮に月間10万円で生活されていた人は負担が6,000円、15万円で生活されていた人は9,000円程度の負担に相当することを考えると制度開始当時の目的が果たされにくい状況にあるのでは?
・他市では新卒者(当該市で初めて入職をした方)などに絞って年間最大40万円の支給をされている例もあり、採用数という観点では流出に繋がっている恐れがある。(私は本市の継続的な支援が効果的という立場ですが)
・また、関東エリアでは市からの支援額が月額4万円以上支給しているという例もあり人材確保についてはより強力な施策が必要である。(適切な金額は調査研究が必要。)
・保育士の現場でのリアルな声をどのように収集するのか本気でリサーチする術を検討すべき(処遇改善は重要だが、そもそも目指すものは何か?)
保育士の有効求人倍率については大阪府下で3.07倍(令和4年10月時点)で全国平均の2.49倍よりもさらに高い状況にある。
また保育士の大阪府下での平均給与は20.5 ~ 24.3万円(厚労省日本版O-NETより抜粋)となっており、やはり依然としてその業務量から見ると高いとは言えない状況にあるのではないでしょうか。
保育士に関わらずどのような業種であっても人材の確保は難しい問題です。
だからこそ採用競合になりうる他市事例の研究やマーケットに見合う施策になっているかを常にチェックを続けることが重要です。
一方で今回は決算ということで本事業のみについて質疑を行いましたが私の考えでは賃金をあげるだけで解消されるようなものではないと思っています。
■他市よりも進んだ先進的な保育事例を生み出す(保育・教育の改革)
■就業環境の改善(保育士配置基準の見直しなども)
■ICT利活用の強化を行い利便性を高める(理想の保育ができるような環境)
■保育士のキャリア教育(仕事観)
など様々打ち手を考えながら枚方市の将来を担う子どもたちにとって素晴らしい保育環境の実現が枚方市において叶うよう今後も動いてまいります。
個人的には保育・教育をどこよりも先進的で進んだ内容を取り組んでいくことで枚方市の未来を作りそこで働きたいという好循環を作ることが重要だと考えます。
明日以降、他テーマについてもアップを致します。